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いま、息をしている言葉で。 駒井 稔 著

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2018年11月22日、福岡市内にあるキューブリックという書店にて開催された駒井稔氏のトークイベント。『いま、息をしている言葉で。』というタイトルだけに強く惹きつけられ、著者のことも知らなければ、書籍内容もまったく分からないまま申し込む。今振り返ると、大変失礼なことをしてしまったと感じている。

当日トークイベントに出席するも、数分で自分が場違いなところに来てしまったことに気づく。古典?文学?カント?想像とかけ離れた話に全くついて行けない。読書が好きになってきたとはいえ、古典にはまだ抵抗感があり手が出せる分野ではないと感じていた。終了後、とりあえず書籍を購入。サインまでしていただくが、その後半年近く積読状態に。

ある時、その本をふと手に取り読み始める。イベントでは大まかな内容は伺っていたが、読んでみて初めてわかる核の部分を見落としていたことを自省。

この本は、光文社古典新訳文庫の創刊に向け編集長であった駒井氏のご尽力についてまとめられている。当時の社長よりキャッチコピーを作るように指示される。その際に社長より例えとして出された案こそこの本のタイトルであり、実際のキャッチコピーに採用される。

 

『いま、息をしている言葉で。』

 

読了後、未踏の分野に足を踏み入れたような感覚がからだの隅々までじんわりと行き渡る。しかし決して不快な感じではなく、まるで今まで自分が探し求めて来たことばと巡り合い、心のスポンジに吸収されていくようだった。わからないことが多分にあるにせよ、きっと新たなことばとの出会いが古典には潜んでいるように直感的に知る。

 

「もしも、わからないことがあれば、『わからなさ』をかかえて暮らして行けばいい。どうしても知りたくなったら、自分で調べればいい。」

文中にあるこの部分に赤ペンでしっかりと線を引き、そのページには付箋をつけている。そしてケストナー飛ぶ教室』を読み、カント『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』にも触れることができた。わからないことに怯むことなく経験してみることの大切さを、この本は教えてくれている。

はっきりとした息づかいをしている言葉には、人を動かす力があると思う。